2009年9月9日水曜日

人類の敵

人類最大の敵、といったら何を思い浮かべるだろうか。地震、雷、火事、おやじ、恐ろしさの代表として挙げられるこれらよりもずっと身近な存在と言えば、あれしかいない。ゴキブリだ。毎夏、多くの人を恐怖のどん底に陥れているやつらの功罪は大きい。人の家へ不法侵入を繰り返し、あまつさえ、物陰でマイホームの建設と子作りにいそしんでいるときた。大変ゆゆしき事態である。

やつらゴキブリが好むのは高温多湿な環境のため、北海道では目撃数が少ないというのは有名な話。だが、つい最近、長野県もゴキブリが少ない可能性がある、という話を聞いた。yahoo!のスタッフブログによると、「ゴキブリ 退治」の検索数が、北海道と長野県だけ全国で比べると圧倒的に少ないのだという。と、いうことはゴキブリの退治方法を知らなくても良い=ゴキブリが少ないということにならないだろうか。
(Photo by KentaHayashi,Some rights reserved)


これは一体どういうことか。ゴキブリ用殺虫剤市場において、約58%のシェア(自社調べ)を誇るアース製薬の広報・石神さんに話を伺ってみた。


――最近、長野県はゴキブリの数が少ない可能性があると聞いたのですが、これは実際のところどうなのでしょうか? 長野県は特別ゴキブリがすみづらい気候や環境なのでしょうか?

「気候や環境に関しては、現段階では分かっていないのですが、長野県1世帯あたりでの、弊社のゴキブリ用殺虫剤の購入金額は、全国の平均に比べて約3分の 1であり、商品によっては約5分の1のものもあります(自社調べ)。ですので、確かに長野県ではゴキブリに困っている方が全国に比べて少ないのではないかと考えられますね」

――おお! やはりそういうデータが出ているのですか! 理由はよく分かってないそうですが、なんてうらやましいんだ、長野県。残念ながら長野在住ではない私は入念なゴキブリ対策をするしかないですね。

「ゴキブリの活動が活発になるのは6月中旬~7月下旬ごろですが、近年は暖房設備の充実などにより、越冬するゴキブリが増えているんですよ」

――そんな!! それは困ります! そんなことでは、年中気が抜けないじゃないですか。最も効果的な退治法はどういったものなのでしょう?

「見えないところにも効果のあるくん煙剤・くん蒸剤がオススメですね。ゴキブリが逃げ込む場所を与えないために、全部屋同時に使用すると効果的です。さらに、スプレー式の殺虫剤には“まちぶせ効果”のあるものも出ていますので、ゴキブリの通り道である換気扇、網戸、窓枠、敷居などにスプレーを噴射すると、外からの侵入を防げます。巣の中での繁殖を防ぐのには、ホウ酸ダンゴのような置き薬も併用するといいと思います」

――うわぁ。完全に駆除するにはそれなりに気合を入れないといけないのですね。ただ、こういったゴキブリ退治の科学が発展するのに対抗して、ゴキブリも年々強くなっていっている、というのは本当でしょうか?

「そうなのです。ゴキブリ駆除の薬剤に抵抗力のあるゴキブリが年々増えているのは事実です。同じ殺虫剤を長期間使用することによって、薬剤に強い固体が生き残り、その抵抗性が遺伝的に受け継がれることによって発達してしまいます」