27日に結果が公表された全国学力テスト。43年ぶりの復活から3年目を迎えたが、「全員調査」の是非や結果公表のあり方をめぐって議論が絶えず、政権交代となった場合には、どのような形で継続するのかも不透明だ。また、個々の問題の正答率からは、児童生徒のさまざまな“弱点”が明らかになった。
【小6】
国語Aでは、「たべもの」をローマ字で書く問題で2割が無解答、「happa」の読みをひらがなで書く問題で3割が無解答だった。後者は「はっぴー」「なっぱ」などの誤答もあり、ローマ字の読み書きに課題があることを示した。
国語Bでは、「家の中のそうじや整とんをする小学校6年生の割合」の表を見せ、データを引用しながら自分の意見を「最近の6年生はそうじによく取り組んでいる」という立場から書くことを求めたところ、正答率が25・9%と低かった。19年度テストの自分の体験を基に考えを書く設問では75・4%が正答。両者の差から、児童が引用や条件付きの記述を苦手としている傾向が分かった。
算数Aでは、百分率で小学生200人中80人の女子の割合を「2・5%」と答えた児童が22・6%いた。
算数Bでは、バス停の時刻表を示し、指定時刻までに目的地に着くバスを時間を逆算して選ぶ問題で、正答率が4割にとどまった。球の重さを複数の分銅とてんびんで比べながら絞り込む問題も正答率45・9%で、与えられた複数の条件を整理して結論を導くのが苦手とみられる。
【中3】
国語Aでは、ダビンチの「モナ・リザ」の鑑賞文「この絵の特徴は、どの角度から見ても女性と目が合います」を「目が合うことです」と適切に書き直せるかどうかを試し、正答率は50・8%。主語と述語を対応させることに課題がみられた。
国語Bでは、分かりやすく工夫された「子ども図書館案内図」を見せ、その工夫を学校図書館の案内図に取り入れられるかを試した。「郷土資料コーナー」の利用目的として「郷土について知りたいとき」などと正答を書けたのは59・9%で、資料を読んで示された条件にあった表現で書くことに課題があった。
数学Aでは、折り紙を1人に3枚ずつ配ると20枚余り、5枚ずつ配ると2枚足りないという条件から、「3x+20」と「5x-2」が示すものを記述させた。「折り紙の枚数」と正しく書けたのは36・3%だった。
数学Bでは、蛍光灯と白熱電球の値段・電気代・寿命を示した表から、両者の総費用が等しくなるおよその時間を求める方法の説明を求めた。正答率は19・9%で、日常的な事柄を一次関数の問題としてとらえることに課題があった。